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第四回   『歯痛』

 最近歯科にお世話になり気づいたことが二・三ありますので酒の肴にしてもらえたら幸いです。
 会社で十年前まで十二月に餅つきをやっていて。 社員家族も参加で、酒も出し、ほろ酔い加減で餅つきをするのですが、中には「合いの手」が上手い社員がいて、「仕事も同じようにこなしてくれたら」と感心しつつ、餅をこねるのを見ていました。 最近では飲酒運転の厳しさもあり、持ちつきの為の出勤も歓迎されなくなり当分再開はなさそうです。
 ところで最近やたらと口腔内を噛むことが多く、何故なのか、歯痛と関係があるのかあれこれ思案です。 皆さんも何度となく体験されているでしょうが、一・二時間も経てば治っているのであまり気にする方もおられないようですが、私は至極当たり前のことに気づき悦に慕ったしだいです。それは口腔内に三本の「合いの手」があることに気づいたのです。 食べ物を口にする、それを歯で噛んだり潰したりし、舌と頬の内側の筋肉で合いの手のように右にやつたり左に動かしたり、餅つきだとこうはうまくいかないでしょう、三人もの「合いの手」が入ったら、杵で餅ではなく合いの手を打つこと請け合いです。 口腔内では歯痛が脳の伝達を狂わせるのか舌を噛んだりほほの内側を噛むことが多発することが判明し、ほほの筋肉も舌も動かさずに物を食べるのは至難なことも分かりました。

 酒の肴に、パチンコのあまり玉でもらった一口羊羹をかじり、冷酒を晩酌してみると、これはなかなかいけると感心しつつ、羊羹のかじり口を見るときれいに歯型がついているのが目に留まり…? もう一度かじってみて…?
 歯型をよく見ると、下歯のほうが上歯より深く食い込んでいるのです、なぜだろうとあれこれ推測し盃を重ねていきました。 下歯の方が上歯より鋭くなっているのだろうか?…上下の歯を均等圧で動かしているはずだが?…あれやこれや馬鹿な思案をしつつ酒の杯をかさねていき、ほろ酔い加減で一人悩みつつ…上下の歯で噛んでたつもりが下の歯しか動かしてないことに気づいたのです。 当たり前のことだが、あごしか動いてないから、下歯の方が上歯より少し深めに食い込む事に納得。 歩行にしろ、拍手にしろ、手足はお互いを同等に動かすのに、なぜ歯だけが一方だけしか動かないのか?また一盃の酒を含み思案です。
 後日、昔洋裁を職業としていた姉に裁ちバサミを尋ねたところ、はさみで布地を切る際は親指を動かすので、はさみの下刃が動くと聞き、歯と同じ動きをしているのが判明し納得した次第です。

 歯の治療中、治療が一段落すると先生から「口を楽にしていいですよ」と声をかけられ、それまでこわごわ開けていた口を「悩みを伴って」閉じる。口を開けているのは治療のためとはいえ心理的に抵抗を感じるのは私だけではないと思うが。
 中学一年のとき、担任の先生からよく耳にしたことを思い出します。 「胸を張れ」「あごを引け」「口を閉じろ」。常にそうしていると馬鹿なお前達も利巧に見える。軍隊式の「気を付け」をやらされたものです。それ以来私は先生の教えを守っているつもりだが。 ここで治療中の「口を楽にしていいですよ」とは、どうゆうことなのかを考えさせられてしまった。 父親の死んだとき、口が開かないように、頭からあごにかけて紐でくくっていたのを思い出し、電車の中で熟睡している乙女の口が大きく開いているのを見かけると、鼻くそでも丸めて放り込みたくなる衝動に駆られたのは私だけだろうか。 最近目が覚めたとき、とっさに口元に神経が走るのだが、口は軽く開いている事が何度か確認されました。本来人間は口を開いた状態が一番楽な姿勢ではないのだろうかと思われます。 人は意識的に他人の前では口を閉じているのではないだろうか・・? であれば、「口を楽にして」と言われたときに・・・開けたままにしておくのか閉じるのか・・また悩むか?・・余談ですが、最近口呼吸する若者が増えてきているように感じるのは、私だけでしょうか?

情報文化委員委員長 田辺父朗